まず、離婚しようとする当事者は、相手方の住所地(住民票を置く地域)を管轄する家庭裁判所に、離婚の調停を申し立てることになります。これは、離婚については、調停前置主義が採られているためで、いきなり離婚の裁判を提起することはできず、一度、調停委員を交えた話し合いの場(調停)が持たれることになります。この調停が不成立に終わった場合、その調停不成立調書を添えて、離婚裁判を提起するという流れになります。 なお、海外に居住する外国人を相手方として離婚裁判を起こす場合には、調停を申し立てても出席が期待できないことから、いきなり離婚裁判を提起することが許される場合があります。
この離婚に際して、未成年の子供がいる場合、その親権者・を監護者を定めなければなりません。親権者(民法819条)・監護者(民法766条)になることを希望する当事者は、自らが適任者であることを積極的に主張し、逆に相手方の不適格性を指摘することになります。一般的には、子供の意向や家庭裁判所調査官の調査を経て、親権者・監護者を決定することになりますが、子供が低年齢である場合には、母親に親権・監護権を認める傾向にあります。 そして、これに付随して養育費や面接交渉に関する取り決めを行うことになります。 ※ 親権とは・・・父母が未成年の子に対してもつ身上及び財産上の養育保護を内容とする権利義務の総称 ※監護権とは・・・そのうち身上の養育保護、すなわち子の心身の成長のための教育及び養育を中心とする権利義務の総称
夫婦共同生活を送る中で購入・形成した財産については、その貢献度に従って分与することになります。たとえ相手方名義の財産であっても、実質的に夫婦で共同して獲得したものと評価できる場合には、財産分与の対象となります。 これに対し、相手方が結婚前から所有していた財産や相続によって取得した財産などについては、特有財産として、原則として財産分与の対象とはなりません。
夫婦の一方が不貞行為(不倫)を働いた場合や、肉体的・精神的な暴力を行った場合には、その相手方に対して慰謝料請求をすることができます。もっとも、そのほとんどは密室で行われることから、主張する事実の裏付け作業である立証(証明活動)には大変な困難が伴います。そのため、相手方に慰謝料請求を行いたい場合には、メール、写真、診断書等の客観的な証拠を収集ことが必須となります。これらの証拠化の方法については、所属する弁護士にご相談ください。
婚姻関係が破綻した当事者は、別居した状態で離婚の調停ないし裁判に臨むのが通常です。もっとも、最終的な判断が出るまで、それなりの期間を要することが多いため、収入の少ない一方当事者は経済的に困窮し、離婚条件を譲歩せざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。 そのような場合、家庭裁判所に、婚姻費用分担の調停を申し立てて下さい。 法律上の婚姻関係にある限り、相手方は婚姻費用を負担する義務があります。婚姻費用額については、自らの収入と相手方の収入をもとに、算定表により形式的に導き出すことができます。仮に、調停でまとまらない場合には、審判に移行し、家事審判官(裁判官)が婚姻費用額を決定することになります。 調停が成立し、また審判が確定したにも拘わらず、相手方が婚姻費用を支払わない場合、相手方の給与を差し押さえることも可能です。 婚姻費用分担の調停においては、できるだけ早期に相手方の収入に関する資料(源泉徴収票や確定申告書)を提出させることがポイントです。このような資料が裁判所に提出されれば、仮に調停が不成立となった場合には、1回程度の審理を経て、直ちに審判を下してもらうことが可能となります。
夫婦の一方と不貞(不倫)関係をもった相手方に対しては、別途損害賠償請求をすることが可能です。その場合には、家庭裁判所ではなく、地方裁判所に訴えを提起することになります。 このような訴えを提起された相手方は二段階の争い方をしてくるのが通常です。まず、不貞の事実を否定し、次に、仮に不貞の事実があったとしても、その当時、既に夫婦関係が破綻しており、夫婦としての実態が消滅し、法的に保護されるべき婚姻関係が存在しないため、不法行為には該当しないという争い方です。そのため、相手方に対する損害賠償請求を希望する場合には、このような主張を弾劾するだけの客観的な証拠をできるだけ多く収集することが肝要となります。このような問題をかかえている場合には、できるだけ早く弁護士に相談されることをお勧めします。